魔法陣会計クラウドの基本情報で「優良な電子帳簿保存」に切り替えようとしても、チェックを入れられないことがあります。
不具合ではなく、期の途中からは設定できない仕様です。
結論
「優良な電子帳簿保存」は、会計期間の途中からは設定できません。設定できるのは、新しい事業者データを作るときか、年度繰越のときの2回です。
また、ソフトで設定しただけでは過少申告加算税の軽減は受けられません。税務署への届出が別に必要です。
公式Q&Aの回答
公式Q&Aでは、次のように案内されています。
- 優良な電子帳簿保存に対応するには、課税期間の初日から電子帳簿で保存している必要がある
- そのため、会計期間の途中から優良な電子帳簿保存にすることはできない
- 設定は、新しい事業者データを作るとき、または年度繰越のときに変更できる
なぜ期の途中からは設定できないのか
優良な電子帳簿の特典(過少申告加算税の軽減)は、課税期間を単位に考えます。その期の帳簿を、期首から優良な電子帳簿の要件どおりに保存していることが前提です。
期の途中から切り替えても、切り替える前の分は要件を満たしていないので、その期は優良な電子帳簿として扱えません。そのため会計クラウドでは、期の区切りでしか設定を変えられないようになっています。
設定できる2つのタイミング
新しい事業者データを作るとき
電子帳簿設定の画面で、[優良な電子帳簿保存に対応する]にチェックを入れてから事業者データを作ります。
年度繰越のとき
年度繰越の画面にある電子帳簿保存の枠で、[優良な電子帳簿保存に対応する]にチェックを入れてから年度繰越を実行します。繰越後の会計期間から優良な電子帳簿保存になります。

期の途中から始めたいときは
当期は今の設定のまま進め、次の年度繰越で切り替えるのが現実的です。
会計クラウドは、電子帳簿保存の設定をしていなくても、翌期3か月分の仕訳の履歴などを自動で残しています。年度繰越の前に翌期の仕訳を入力していても、履歴を引き継いで翌期の期首から始められます。詳しくは次の記事にまとめました。
優良な電子帳簿にすると何が変わるか
帳簿に求められる要件
国税庁の案内では、優良な電子帳簿には次の3つが求められます。
- 訂正・削除の履歴を残すこと
- 帳簿どうしの記録がつながっていること(相互関連性)
- 日付・金額・取引先などで検索できること
受けられる特典
- 優良な電子帳簿に記録した事項について申告漏れがあったとき、過少申告加算税が5%軽減されます(所得税・法人税・消費税。隠ぺい・仮装があった場合は対象外)
- 個人事業者の場合、仕訳帳と総勘定元帳を優良な電子帳簿で保存していることは、65万円の青色申告特別控除を受ける方法の一つになります
届出を忘れると軽減は受けられない
いちばん見落としやすいのがここです。
会計クラウドで[優良な電子帳簿保存に対応する]にチェックを入れるのは、帳簿を要件どおりに作るための設定です。過少申告加算税の軽減を受けるには、これとは別に、「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等に係る過少申告加算税の特例の適用を受ける旨の届出書」を税務署に出しておく必要があります。
提出の期限は、適用を受けたい申告の法定申告期限までです(所得税なら翌年3月15日まで)。
まとめ
- 「優良な電子帳簿保存」は期の途中からは設定できない
- 設定できるのは、新しい事業者データを作るときと、年度繰越のとき
- 期の途中から始めたいなら、次の年度繰越で切り替える
- 過少申告加算税の軽減を受けるには、ソフトの設定とは別に税務署への届出が必要