魔法陣電子申告で償却資産の申告データを読み込むと、申告区分として「全資産申告(電算処理分)」か「増加資産/減少資産申告」かを選びます。
「電算処理分」という言葉がとくに分かりにくく、初めて電子申告する年にここで手が止まる人も多いのではないでしょうか。
結論
増加資産/減少資産申告:前年中に増えた資産・減った資産だけを申告します(一般方式)。評価額は市町村が計算します。
全資産申告(電算処理分):1月1日現在に持っている全部の資産を、評価額まで自分で計算して申告します(電算処理方式)。
どちらで出すかは自治体との間で決まっているので、迷ったら申告先の市町村に確認します。
公式Q&Aの回答
魔法陣の公式Q&Aでは、次のように案内されています。
- 1月1日現在所有している全ての資産を、評価額等を計算したうえで申告する場合は「全資産申告(電算処理分)」を選ぶ
- 前年中に増加または減少した資産を申告する場合は「増加資産/減少資産申告」を選ぶ。評価額等は市町村側が計算するので変換されない
- どちらで申告するか分からない場合は市町村に尋ねる
「電算処理分」は自治体のコンピュータ処理のことではない
「電算処理」と聞くと、市町村がコンピュータで計算してくれる区分のように思えます。
実際は逆で、申告する側が全資産の評価額まで計算して出す方式を「電算処理方式」と呼んでいます。
償却資産の申告方式は、大きく次の2つに分かれます。
| 一般方式 | 電算処理方式 | |
|---|---|---|
| eLTAXの申告区分 | 増加資産/減少資産申告 | 全資産申告(電算処理分) |
| 申告する資産 | 前年中に増えた資産・減った資産 | 1月1日現在の全部の資産 |
| 評価額の計算 | 市町村が計算 | 申告する側が計算して記入 |
| 毎年の申告 | 増減があった分だけ | 増減がなくても毎年全資産 |
初めて申告する年は、一般方式でも1月1日現在の全資産を申告します。
東京都主税局のページでは、eLTAXの申告区分と申告方式の対応が表で整理されています。2回目以降の申告に使う「修正増加資産/減少資産申告」「修正全資産申告(電算処理分)」、前年度の申告内容を使う「プレ申告データによる申告」もあります。
「評価額等は変換されません」の意味
公式Q&Aの「評価額等は市町村側が計算しますので変換されません」は、増加資産/減少資産申告を選んだときの話です。
一般方式では、評価額や決定価格は市町村が計算します。そのため、魔法陣側で評価額を計算していても、申告データには評価額が載りません。
不具合ではなく、一般方式の仕組みどおりの動きです。
反対に、全資産申告(電算処理分)では評価額の欄が申告の中身になります。たとえば大垣市の令和8年度の手引きでは、電算処理方式で申告する場合、申告書の評価額欄を必ず記入するよう案内しています。
どちらを選ぶかの決め方
- 前年まで紙で出していたなら、どちらの方式だったかを確認します。毎年、増減分だけを出していたなら一般方式、毎年全資産の一覧と評価額を出していたなら電算処理方式です。
- 初めて申告する場合や前年の方式が分からない場合は、申告先の市町村の資産税担当に「一般方式と電算処理方式のどちらで出すか」を確認します。
複数の市町村に資産がある場合、方式の扱いは市町村ごとに確認するのが確実です。
全資産申告(電算処理分)を選ぶときの注意
- 増減がなくても、毎年1月1日現在の全資産を申告します
- 評価額は申告する側で計算して記入します(大垣市の手引きでは、評価額の最低限度は取得価額の5%)
- 所有者コードなど、市町村から指定された番号を転記するよう求める自治体があります
- 東京都では、全資産申告(電算処理分)で申告すると、翌年度のプレ申告データに種類別明細書が付きません。申告書の備考欄に「種類別明細書の送信希望」と書くと、一般方式による申告とみなされます
選び間違えたときは
前年と違う方式で出すと、市町村が持っている資産の情報と申告の中身がかみ合わなくなることがあります。
市町村から問い合わせを受けたり、出し直しを求められたりすることがあるので、気づいたら早めに申告先へ連絡して、修正の出し方(修正申告の区分を使うかどうか)を確認します。
まとめ
- 「増加資産/減少資産申告」は一般方式。前年中の増減だけを出し、評価額は市町村が計算する
- 「全資産申告(電算処理分)」は電算処理方式。1月1日現在の全資産を、評価額まで自分で計算して出す
- 「電算処理」は申告する側の計算のこと。自治体が計算してくれる区分ではない
- 増加資産/減少資産申告で評価額が申告データに載らないのは仕組みどおり
- どちらで出すか分からなければ、申告先の市町村に確認する