前の会計ソフトから魔法陣会計クラウドへ、会計期間の途中で乗り換えることがあります。
公式Q&Aの手順は3行だけで、「期首残高登録」に何を入れるのかが書かれていません。ここを取り違えると、売上や経費の二重計上や、残高が合わない原因になります。
結論
期首残高登録に入れるのは、期首時点の資産・負債・純資産の残高(前期末の貸借対照表)だけです。
期首から導入日までの売上や経費は、期首残高ではなく仕訳として入力します。
公式Q&Aの回答
公式Q&Aでは、会計期間の途中から導入する流れを次の3ステップで案内しています。
- データを新規作成する
- [設定]>[期首残高登録]を開き、導入元データの繰越残高を入力する
- 期首から導入当日までの取引を、入力メニューで入力する
3つのステップを分けて読む
1. データは期首から作る
事業者データの会計期間は、乗り換える日からではなく、その事業年度の期首からにします。決算書は事業年度単位で作るので、導入日から始めると期間が合いません。
2. 「繰越残高」は前期末の貸借対照表の残高
「導入元データの繰越残高」とは、前の会計ソフトで前期から繰り越された残高、つまり前期末の貸借対照表の残高のことです。

3. 期首から導入日までの取引は仕訳で入れる
当期に入ってから乗り換えるまでの取引は、期首残高ではなく、会計クラウドの仕訳として入力します。
期首残高に入れるもの・入れないもの
| 区分 | 期首残高に入れるか | 例 |
|---|---|---|
| 資産 | 入れる | 現金・預金、売掛金、商品、固定資産 |
| 負債 | 入れる | 買掛金、未払金、借入金 |
| 純資産 | 入れる | 資本金、繰越利益剰余金(個人事業者は元入金) |
| 当期の収益・費用 | 入れない(仕訳で入力) | 売上、仕入、給料、地代家賃 |
期首残高は「期首の時点でいくらあったか」です。当期に増えた分や減った分は入れません。
期首から導入日までの取引の入れ方
- 前の会計ソフトから仕訳を書き出して取り込めるなら、それがいちばん確実です。弥生会計からなら、会計クラウドの[他社データの移行]で仕訳データも取り込めます(公式Q&A No.12046)
- 手で入れる場合は、どこまでが乗り換え前の取引か後から分かるよう、摘要に印を付けておくと確認が楽です
- 取引1件ずつではなく月ごとの合計で入れる方法を取るなら、前のソフトの帳簿もあわせて保存しておきます。どちらにするかは、顧問の税理士と最初に決めておくのが安全です
よくある失敗
- 期首残高に当期の売上や経費まで入れてしまい、そのうえ仕訳でも入れて二重に計上する
- 期首から導入日までの取引を入れ忘れ、預金などの残高が通帳と合わない
- 導入日から会計期間を始めてしまい、決算書の期間が事業年度と合わない
- あとから前期との比較をしたくなっても、当期のデータを作った後では前期を追加できない
合っているかの確かめ方
導入日の時点の試算表を、前の会計ソフトの同じ日の試算表と並べます。
- 貸借対照表の各科目の残高が一致するか
- 損益計算書の期首からの累計が一致するか
- 預金の残高が通帳と一致するか
前期との比較もしたいなら
会計クラウドでは、当期の事業者データを作った後に前期の会計期間を追加できません(公式Q&A No.12165)。
導入した年から前期比較をしたいなら、前期の会計期間からデータを作り、前期のデータを登録してから年度繰越をして当期に進みます(公式Q&A No.12171)。どちらで始めるかは、データを作る前に決めておきます。
まとめ
- 事業者データは、乗り換える日ではなく事業年度の期首から作る
- 期首残高登録には前期末の貸借対照表の残高だけを入れる
- 期首から導入日までの売上や経費は仕訳で入力する
- 導入日時点の試算表を前のソフトと突き合わせて確認する
- 前期比較が必要なら、前期の会計期間から作る