法人税・地方税

税務申告ソフトの選び方 パッケージ型・会計事務所向けシステム・クラウド型を比べる(令和8年11月時点)

法人税や消費税の申告書を作るソフトは、パッケージで買うもの、会計事務所向けの大きなシステム、クラウド会計と一体のものなど、形がまったく違います。料金の払い方も、買い切り、年額、見積もりとさまざまです。

この記事では、主な税務申告ソフトを「どんな形で提供され、誰向けか」という観点で整理します。広告やアフィリエイトは入れていません。このサイトは《魔法陣》の使い方を紹介していますが、販売元の株式会社ハンドとは関係がなく、特定のソフトを勧めるものでもありません。

結論

税務申告ソフトは、大きく4つのタイプに分かれます。

・パッケージ型(製品を買ってパソコンに入れる):《魔法陣》、達人シリーズ

・会計事務所向けの総合システム(会計から申告まで一体、価格は見積もり):TKC、JDL、MJS

・クラウド会計と一体の申告ソフト(自社申告向け):freee申告、申告奉行iクラウド

・無料の公的ツール:国税庁のe-Taxソフト

選ぶときは、誰が申告するのか、どの会計ソフトと組み合わせるのか、料金をどう払いたいのかの3つから絞ると迷いません。

4つのタイプの違い

タイプ料金の見え方向いている人
パッケージ型価格が公開されていて、税目ごとに買える小規模な会計事務所、いろいろな会計ソフトの顧問先を持つ事務所、自社で申告する企業
会計事務所向けの総合システム見積もり。会員制や保守契約が前提のことが多い会計から申告まで1社のシステムでそろえたい事務所
クラウド会計と一体の申告ソフト年額・月額で公開その会計ソフトを使っていて、自社で法人税を申告する会社
無料の公的ツール無料計算や転記を自分でできる人、件数がごく少ない人

主な製品の一覧

以下は、令和8年11月2日に各社の公式サイトで確かめた内容です。価格は改定されることがあるので、導入前に必ず公式サイトで確かめてください。

※スマホでは表を横にスクロールできます

製品提供形態料金の形主な利用者主な対応税目無料で試す
《魔法陣》(ハンド)インストール型(ダウンロード製品)税目ごとの買い切り+バージョンアップ。価格公開(税込)会計事務所・企業・個人法人税・地方税、消費税、所得税、相続税、年末調整・法定調書、内訳書、減価償却体験版あり(新規データ作成不可、印刷に「見本」)
達人シリーズ(NTTデータ)インストール型(ダウンロード版・パッケージ版)製品ごとの年間利用料。価格公開(税抜)税理士事務所・一般企業法人税・地方税、消費税、所得税、相続税・贈与税、年末調整・法定調書、内訳書、減価償却など90日間の体験(印刷に「SAMPLE」、送信不可)
TKC会計事務所向けシステム公式に価格の記載なしTKC全国会の会員事務所が中心法人税・地方税、個人の決算申告、相続税・贈与税、年末調整・法定調書など公式で確認できず
JDL専用機一体型、クラウド(IBEXクラウド組曲Major)専用機は保守加入が必須。クラウドは公式に価格の記載なし会計事務所法人税、消費税、所得税、相続税・贈与税、年末調整・法定調書、内訳書など公式で確認できず(デモ申込み)
ミロク情報サービス(MJS)オンプレミス、クラウド公開価格なし(問い合わせ)製品により企業向け・会計事務所向け法人税、消費税、法定調書、内訳書など(製品により所得税・相続税も)会計事務所向け製品に3か月のお試し
freee申告クラウド(freee会計と一体)年額(税別)29,800円・48,800円ほかfreee会計を使う小規模法人(利用できない条件あり)法人税・地方税、消費税、償却資産、内訳書など(プランで違う)freee会計の利用者は期間制限なく試せる(一部帳票は出力不可)
申告奉行iクラウド[法人税・地方税編](OBC)クラウド月額4,750円〜・年額57,000円〜(販売パートナー経由)自社で申告する企業(税理士も参加可)法人税・地方税公式ページに記載なし(デモ・相談)
e-Taxソフト(国税庁)無料の公的ツール(ダウンロード版・WEB版)無料法人・個人ダウンロード版は贈与税を除く申告に対応。地方税(eLTAX)は別―

タイプごとの特徴

パッケージ型(《魔法陣》、達人シリーズ)

税目ごとにソフトを買い、自分のパソコンに入れて使います。

  • 価格が公開されている:《魔法陣》は法人税・地方税が新規63,800円、毎年のバージョンアップが29,700円(いずれも税込、1本目)。達人シリーズは年間利用料で、法人税の達人はダウンロード版で24,700円〜55,900円(税抜、エディションによる)です
  • 必要な税目だけ買える:法人税と消費税だけ、所得税だけ、といった買い方ができます
  • 会計ソフトを選ばない:会計データは取り込みや入力で渡すので、顧問先ごとに会計ソフトが違っても使えます
  • 体験版で試せる:《魔法陣》は体験版(データの新規作成ができず、印刷に「見本」と入る)、達人シリーズは90日間の体験(印刷に「SAMPLE」と入り、送信不可)があります

気をつけたいのは、インストールするパソコンの管理やデータのバックアップを自分でやる必要があることです。

会計事務所向けの総合システム(TKC、JDL、MJS)

会計から申告、電子申告までを1社のシステムでそろえる形です。

  • 会計と申告が一体:自社の会計システムのデータを受けて申告書を作るので、転記の手間が少なくなります
  • 体制が手厚い:TKCはTKC全国会の会員事務所が使う前提で、JDLは専用機に保守サービスの加入が必須です
  • 価格は見積もり:TKCとMJSは公式サイトに価格が載っておらず、JDLもクラウドのサービスには価格の記載がありません(専用機には価格例の記載あり)

会計から申告まで流れがそろう反面、導入や乗り換えの負担が大きく、事務所の規模や方針に合うかを見極める必要があります。

クラウド会計と一体の申告ソフト(freee申告、申告奉行iクラウド)

自社で法人税を申告する会社が、使っているクラウド会計のデータから申告書を作る形です。

  • freee申告:freee会計に追加して使います。年額(税別)はスタータープラン29,800円、スタンダードプラン48,800円です。資本金1億円超の法人や固定資産が100件以上の法人など、使えない条件があります
  • 申告奉行iクラウド(法人税・地方税編):勘定奉行iクラウドと連携し、販売パートナー経由で契約します。月額4,750円〜・年額57,000円〜で、対応は法人税・地方税です

会計ソフトとセットで選ぶ形なので、ほかの会計ソフトを使っている会社や、多くの顧問先を持つ会計事務所には向きません。

なお、マネーフォワード クラウド会計は、公式のFAQで「法人税の申告には対応していない」としています(このFAQの更新日は2021年8月24日)。同じFAQには、法人税の達人向けのデータを出力できるとも書かれています。

無料の公的ツール(e-Taxソフト)

国税庁のe-Taxソフト(ダウンロード版)は、贈与税を除くほとんどの申告に対応しています。無料ですが、計算や別表の間の転記は自分でやる必要があり、地方税はeLTAXで別に申告します。

所得税・消費税・贈与税の申告なら、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」もあります(法人税には使えません)。

選ぶときに確かめたいこと

  • 誰が申告するか:会計事務所が多くの顧問先の申告をするのか、自社の申告だけか
  • 会計ソフトとの組み合わせ:顧問先の会計ソフトがばらばらか、1つにそろっているか
  • 必要な税目:法人税だけか、相続税・年末調整・償却資産まで必要か
  • 料金の払い方:買い切り+バージョンアップか、年額か、見積もりの長期契約か
  • 電子申告:国税(e-Tax)と地方税(eLTAX)をどこから送るか
  • 試せるか:体験版やお試し期間があるか

《魔法陣》はどのタイプか

《魔法陣》はパッケージ型です。税目ごとに買えて価格が公開されているので、小規模な事務所が必要な税目だけそろえる使い方に向いています。

会計は、同じハンドの「魔法陣会計クラウド」から消費税・所得税・内訳書・電子申告(財務諸表)へ連動できますが、法人税・地方税は連動の一覧に入っていません。

まとめ

  • 税務申告ソフトは、パッケージ型、会計事務所向けの総合システム、クラウド会計と一体型、無料の公的ツールの4タイプ
  • 価格が公開されているのはパッケージ型とクラウド会計一体型。総合システムは見積もりが中心
  • 「誰が申告するか」「会計ソフトとの組み合わせ」「料金の払い方」の3つで絞る
  • 価格や対応範囲は変わるので、導入前に公式サイトと体験版で確かめる
  • この記事を書いた人

サガミ

《魔法陣》を実務で使っている公認会計士。公式のQ&Aやヘルプだけでは分かりにくいところを、ユーザーの立場から補っています。株式会社ハンドとは関係ありません。

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